九州の建設業M&A|人手不足倒産を回避し、熟練技術者と許認可を高く売る戦略 | 九州M&A総研マガジン

九州の建設業M&A|人手不足倒産を回避し、熟練技術者と許認可を高く売る戦略

九州エリア(福岡・熊本・鹿児島ほか)の建設業M&Aにおける最新動向を専門家が解説。2026年現在の半導体特需や都市再開発を背景とした売却相場の変化、施工管理技士の人数や経審点数がいかに企業価値を左右するかを詳述します。廃業コストと比較したM&Aのメリットや、リスク回避の磨き上げ戦略、M&A総合研究所による成約事例まで網羅しました。

目次

  1. 九州の建設業M&Aにおける最新動向
  2. なぜ今、九州の建設会社が売り手市場なのか
  3. 【県別】九州各県の建設業M&Aトレンドと特徴
  4. 九州の建設会社における売却相場の算出法
  5. 建設業M&Aの主要な買い手候補
  6. 九州・建設関連のM&A成功事例
  7. 建設業M&Aで失敗しないための注意点とリスク
  8. 九州で建設業に強いM&A仲介会社の選び方
  9. M&A検討から成約までの流れ(建設業編)
  10. まとめ

九州・沖縄地方の建設業界は、今、歴史的な投資ラッシュと深刻な構造的課題の狭間に立たされています。熊本県への世界最大手半導体メーカー進出に伴う関連施設・住宅整備の爆発的な需要、福岡市の天神ビッグバンをはじめとする都市再開発、そして各地で進むインフラ更新。これほどまでに仕事が溢れている状況は、過去数十年にわたり例を見ないものです。

しかし、その一方で現場を支える1級施工管理技士や熟練職人の不足は極限に達しており、いわゆる2024年問題への対応も含め、単独での存続に苦慮する中小建設会社が少なくありません。こうした環境下で、自社の技術と雇用を次世代へ繋ぐための有力な手段として、第三者承継(M&A)を選択する動きが急速に一般化しています。

本記事では、九州の建設業における最新のM&A相場から、自社の価値を最大限に評価してもらうための戦略について、専門家の視点で詳しく解説します。

九州の建設業M&Aにおける最新動向

2026年現在、九州・沖縄地方における建設業の経営環境は、未曾有の特需と深刻な供給制約が交錯する極めて特殊な局面にあります。熊本の半導体工場建設を筆頭とした巨大プロジェクトが続く中、施工能力を持つ企業の争奪戦が起きている一方で、休廃業を選択する企業も後を絶たないという対照的な状況が続いています。

九州の建設市場を取り巻く主な環境要因は以下の通りです。

半導体関連投資によるサプライチェーン全体の建設ラッシュ

資材高騰や労務費上昇に伴う、中小建設会社の採算悪化

大手・中堅企業による施工部隊(人材・拠点)の囲い込みを目的とした業界再編

単独での存続が難しくなっている企業がある一方で、一定の資格者や地場での信頼を保持している企業の価値は、相対的に大きく向上しています。かつての救済型M&Aとは異なり、現在は「強みを持つ者同士の統合による規模の拡大」を狙った戦略的なマッチングが、九州全域で加速しているのが最大の特徴と言えるでしょう。

半導体特需と人手不足倒産のパラドックス

九州の建設業界が直面している最大の矛盾は、受注機会が豊富にあるにもかかわらず、現場を動かす人間がいないために倒産や廃業に追い込まれる「人手不足倒産」の発生です。特に熊本県周辺では、大手企業への人材流出や賃金高騰が激しく、中小企業が自力で技術者を確保し続けることは、もはや経営上の大きなリスクとなりつつあります。

こうした「黒字廃業」の危機を回避するための有効な手段がM&Aです。資本力とブランド力のある大手グループの傘下に入ることで、採用コストを親会社が肩代わりし、安定した環境で若手人材を確保できるようになります。「会社を売る」ことは「従業員の職場を永続させる」ことと同義であり、人手不足という構造的な課題を解決するための最も合理的な経営判断として、多くのオーナー経営者に支持されています。

都市再開発とインフラ更新需要

福岡市の天神ビッグバンや博多コネクティッドといった大規模な都市再開発プロジェクトは、九州の建設M&A市場に多大な影響を与えています。都心部でのオフィスビル建設やマンション開発に加え、高度経済成長期に整備された道路や橋梁といった老朽インフラの更新工事も、今後数十年にわたる確実な需要として存在しています。

これらのプロジェクトを遂行するため、県外の大手ゼネコンやサブコンは、九州に深く根を張り、地元の協力会社を束ねる力を持つ施工部隊を熱心に探索しています。福岡県やその周辺に拠点を構える建設会社は、買い手にとって「即戦力の実行部隊」としての戦略的価値が極めて高く、通常の財務評価を上回るプレミアム価格での取引が期待できる市場環境が整っています。

なぜ今、九州の建設会社が売り手市場なのか

九州の建設会社が現在、かつてないほどの売り手市場となっている理由は、新規参入の障壁が極めて高く、かつ「時間」を買いたいという買い手企業の思惑が一致しているためです。大手ゼネコンが九州に新規で支店を設置しても、現場監督や資格者が一向に集まらないという現実があります。

高値での取引を支える構造的な要因は以下の2点です。

施工管理技士および熟練職人の圧倒的な希少性

長年の業歴によって培われた入札参加資格と地場での信頼

買い手企業は、ゼロから基盤を作るリスクを負うよりも、既存の優良な建設会社を買収して即戦力を確保する道を選択しています。この「施工リソースの囲い込み」という強いニーズが、売却価格を押し上げる要因となっています。

施工管理技士・熟練職人の争奪戦

建設業において1級・2級の施工管理技士は、企業の営業継続に直結する最も貴重な経営資源です。昨今の採用市場における一人あたりの採用単価(紹介手数料等)の高騰を考えれば、有資格者を組織として一定数抱えていること自体が、数千万円から数億円規模の含み益として評価される時代になりました。

買い手企業の視点では、M&Aによって技術者をまとめて確保することは、一人ずつ採用するよりも不確実性が低く、極めてコストパフォーマンスが良い投資となります。特に若手の有資格者が在籍しており、定着率が良い組織であれば、評価額は飛躍的に跳ね上がります。人が資産であるという実感が、譲渡価格という明確な数字として表れるのが現在の建設M&Aのリアリティです。

公共工事の入札参加資格と地場の信頼

長年の完工実績に基づいた経営事項審査(経審)の点数や、地元自治体からの指名実績は、新規参入企業が決して短期間で手に入れることができない「無形のライセンス」としての価値を持ちます。特に九州の地方部では、地元の地理や慣習、協力会社との繋がりに精通した業者でなければ施工が困難な現場が多く、この地域密着性は強力な参入障壁となります。

この地場の信頼(暖簾)は、買い手企業にとっての収益の確実性を保証する材料となります。特定エリアでの独占的なポジションや、公共工事における高い入札ランクを維持し続けている事実は、将来にわたる受注枠を取得することと同義です。この既得権益的な価値が、適正なのれん代(営業権)の算出根拠として高く評価される背景となっています。

【県別】九州各県の建設業M&Aトレンドと特徴

九州各県は、産業構造や開発の性質が明確に異なり、それに伴って求められる建設会社のタイプも変化します。自社が属するエリアの特性が、買い手の投資戦略とどのように合致するかを把握しておくことは、高値売却を実現するために欠かせない視点です。

九州各県において、どのような企業が熱烈なオファーを受けているのか、詳細を分析していきます。

福岡県:天神ビッグバンと都市型建設

福岡県は、九州経済のエンジンとして最もM&Aが活発なエリアです。福岡市中心部でのビル建て替え需要に加え、周辺自治体での物流倉庫やマンション建設も盛んに行われています。これにより、建築工事業はもちろん、電気工事や管工事といった設備工事業者の争奪戦が激化しています。

このエリアは県外からの参入が最も多いため、同業者同士が統合して規模を拡大し、大手と対等に渡り合える体制を整える「ロールアップ型M&A」が進行しやすいのが特徴です。人材確保を目的とした買収のみならず、特定エリアのシェアを独占したいという戦略的な意向が強く働くため、九州で最も高い評価倍率がつきやすい県と言えるでしょう。

熊本県・佐賀県・長崎県:半導体関連とインフラ

熊本県を中心とした半導体クラスターの形成は、周辺の佐賀県や長崎県へも甚大な経済効果を波及させています。半導体工場自体の建設だけでなく、そこで働く数千人規模の従業員のための住宅整備、道路拡張、上下水道の再整備など、土木・建設の需要は今後10年以上にわたり約束されています。

このエリアでは、急激な受注増に対応するために、隣接する自治体の企業を買収して施工体制を強化する動きが加速しています。地価の上昇や人件費の高騰という課題を、M&Aによる規模の経済で克服しようとする企業が多いため、「土地」と「有資格者」をセットで保有している建設会社は、極めて高い条件での譲渡が実現しています。

大分・宮崎・鹿児島・沖縄:観光インフラと防災

豊富な観光資源を有する大分、宮崎、鹿児島、そして沖縄エリアでは、ホテル・旅館の建設やリゾート開発に関連した特殊施工のニーズが絶えません。また、台風や豪雨災害が多い地域特性から、砂防工事や護岸工事といった防災・減災に関わる土木会社の重要性は極めて高く、地域の守り手としての価値が再認識されています。

離島やへき地での施工ノウハウを持つ企業、あるいはテトラポッド製作などの特殊な施工技術を持つ企業は、大手マリコン(海洋土木)やゼネコンから高い評価を受けます。「地域のインフラ維持という社会的使命」を担い続けてきた実績が、M&A市場においては不況に強い安定した経営基盤として認められ、信頼関係を重視する買い手との成約に繋がっています。

九州の建設会社における売却相場の算出法

「自社がいったいいくらで売れるのか」という問いに対し、M&Aの実務では一定の算出ロジックが存在します。建設業は重機や不動産などの有形資産を持つ一方で、技術者や経審ランクといった無形資産が評価の大部分を占めるため、これらを適切に数値化することが重要です。

九州の中小建設業において一般的に用いられる算出式は以下の通りです。

時価純資産法(資産の評価替え)をベースにした基礎価値

営業権(のれん代)を加算する年買法による付加価値

一般的な相場観としては「時価純資産 + 実質営業利益の2年〜5年分」とされますが、完工高だけでなく、利益率や手持ち工事量がいかに安定しているかが、倍率を決定する大きな要因となります。

時価純資産と保有資産(重機・土地)の評価

企業価値算定の第一歩は、貸借対照表上の純資産を時価で評価し直すことです。建設業の場合、長年使用している本社ビルや資材置き場の土地が、現在の地価上昇(特に福岡・熊本)によって大きな含み益を生んでいるケースが多々あります。これらを現在の市場価格に修正することで、企業の基礎体力を正しく把握します。

また、償却済みのショベルカーやクレーンなどの重機、特殊車両であっても、中古市場で高値で取引されている場合はプラス査定の対象となります。手入れの行き届いた機械設備は、買収後すぐに稼働できる資産として買い手から喜ばれます。資産リストを詳細に整理し、目に見える価値をすべて洗い出すことが、最低ラインとなる売却価格の底上げに直結します。

営業権(のれん代)を決める経審と人

純資産に加算される営業権(のれん代)を左右するのは、将来その会社がどれだけの利益を生み出せるかという期待値です。建設業においては、経営事項審査の評点(P点)が高く、公共工事のAランクを維持している事実は、将来収益を確約する強力な根拠となります。ランクが高いほど、倍率は5年分に近い高水準で設定されやすくなります。

さらに、在籍する技術者の年齢構成も重要です。若手の施工管理技士が多く在籍している組織は、人材不足による倒産のリスクが極めて低いと判断され、評価倍率が上振れます。特定の元請けに依存せず、独自の顧客パイプを持っていることや現場監督が一人で利益管理まで完遂できる能力なども、のれん代を押し上げる重要な加点ポイントです。

建設業M&Aの主要な買い手候補

九州の建設会社の売却において、買い手候補は大きく分けて「県外からの進出組」「地場同業者」「インフラ進出を狙う異業種」の3つの層に分類されます。誰をパートナーに選ぶかによって、成約後の展開や従業員の待遇が異なるため、自社の目的に合ったマッチング戦略が必要です。

九州市場における主要な買い手プレイヤーの動向を整理しました。自社の規模や技術特性に合った、最適な買い手とのマッチングこそが、成約への最短距離となります。

九州進出を狙う本州・海外のゼネコン

東京や大阪の大手建設会社にとって、現在の九州は最も魅力的な投資先の一つです。彼らは潤沢な資金力を背景に、九州市場への足掛かりとなる「拠点」と「施工部隊」を一括で取得しようとします。そのため、財務内容が健全で、組織化された優良企業に対しては、最高値での売却が期待できるのがこの層です。

ただし、大手企業ならではの厳格なコンプライアンス基準(DD)を求めるため、事前の社内整備が不可欠です。「全国水準の待遇への改善」や「大規模プロジェクトへの参画機会」といった、従業員にとっての大きなメリットが期待できるのも、ゼネコンへの譲渡ならではの特徴と言えるでしょう。

職人とシェア確保を狙う近隣の同業者

同じ九州内や隣接県の建設会社が買い手となるケースは、現在最も多いマッチングパターンです。彼らの目的は、深刻な人手不足の解消と、ライバルの取り込みによる地域シェアの拡大です。商圏が重なる、あるいは補完関係にあるため、現場同士の連携がスムーズに進みやすく、シナジー効果を早期に実感できるメリットがあります。

経営者同士の顔が見えやすく、九州特有の商習慣を共有しているため、安心感を持って交渉を進められるのも利点です。「九州の技術を、九州の資本で守り抜く」という共感に基づいたマッチングは、地域社会や従業員にとっても納得感が高く、円滑な事業承継を実現するための手堅い選択肢となります。

インフラ関連に進出する異業種

近年、不動産管理会社、ビルメンテナンス会社、あるいは総合商社などが、自社のサービスに施工機能を付加するために建設会社を買収する「垂直統合型」の事例が増えています。買い手は現場の実務については売り手に任せたいという意向が強いため、現経営者が一定期間会長や顧問として残ることを条件に、高値で取引されるケースが目立ちます。

異業種の買い手は、自社の既存顧客から上がってくるリフォームや修繕工事を自社内で完結させる(内製化)ことを狙っています。これにより、建設会社側は安定した仕事の発注元を手に入れることになり、経営基盤は飛躍的に盤石化します。自社の技術を他業種の課題解決に役立てるという、新しい形の提携モデルです。

九州・建設関連のM&A成功事例

実際の成約事例を知ることは、自社の未来を具体的にイメージする上で非常に有効です。九州においても、後継者不在の苦悩を解消し、従業員の雇用を守りながら、会社をさらなる飛躍へと導いたストーリーが数多く存在します。ここでは、代表的な成功モデルを3つ紹介します。

【福岡県】電気工事|建設需要の波に乗る成長戦略

福岡県で太陽光パネルの設置や一般電気工事を手掛けていた企業が、建設領域への本格参入と、さらなる事業成長を目指して、建設業界に強みを持つ大手企業への参画を決断された事例です。オーナー様は、単独での採用や受注規模に限界を感じており、一気に経営基盤を強化するための「前向きな選択」としてM&Aを活用されました。

成約後は、親会社の営業網を活かして福岡市内の再開発案件に食い込むなど、売上高は劇的に向上しました。従業員にとっても、福利厚生の充実や資格取得支援制度の導入など、処遇が大幅に改善される結果となりました。後継者不足をきっかけにしつつも、それを飛躍のチャンスに変えた、攻めのM&Aの典型例と言えます。

【九州地方】自動車部品製造|熟練技術と雇用の承継

九州地方で高度な精密加工技術を持つ企業が、創業者の属人化を解消し、会社の永続性を確保するために同業他社への譲渡を行った事例です(建設業ではありませんが、職人の技術承継という点で建設業と共通する課題解決事例です)。経営者様は「自分の代で技術を絶やしたくない」という強い想いを持たれていました。

マッチングの決め手は、買い手企業が「職人を大切にする文化」を持っていたことでした。成約により、創業者が築き上げた熟練の技は、買い手企業の若手社員へと引き継がれる体制が整い、取引先への供給責任も守られました。「人」と「技」を資産として正当に評価してくれる相手と出会うことが、いかに経営者の心を救うかを証明した事例です。

【東北】建設業|地域インフラを守るための決断

長年、地域インフラの維持を担ってきた建設会社が、後継者不在による廃業を回避するために、広域展開する建設グループとの統合を選択された事例です。地方の建設会社にとって、廃業は従業員を路頭に迷わせるだけでなく、地域の災害対応能力を削ぐという重いリスクを伴います。

M&A総合研究所が仲介に入り、迅速に候補企業を特定したことで、情報の漏洩を防ぎながら極めてスムーズに成約に至りました。この事例は、エリアを問わず、建設業の存続支援に豊富な実績を持っていることを示しています。「地域に必要な灯を消さない」という私たちの使命感が、多くの建設業経営者の皆様に選ばれている理由です。

建設業M&Aで失敗しないための注意点とリスク

建設業のM&Aは、他業種にはない特有のリスク要因が数多く存在します。これらのリスクを放置したまま交渉に臨むと、デューデリジェンス(買収監査)の段階で大幅な減額を提示されたり、最悪の場合は最終成約直前で破談(ディールブレイク)に至ったりする恐れがあります。

経営者が事前に留意すべきリスクは以下の2点に集約されます。

未完成工事の評価と、竣工後の瑕疵担保責任への備え

社会保険の加入漏れや、未払い残業代といった労務コンプライアンスの不備

成約がゴールではなく、その後の運営に禍根を残さないための磨き上げ(プレM&A)」の要点を解説します。

未完成工事の評価と瑕疵担保責任

建設業会計における「未成工事支出金(仕掛品)」は、恣意的に操作されやすい項目として、買い手から最も厳しくチェックされます。赤字現場の損失を未完成工事の中に隠していないか、あるいは収益認識が適切かといった点が精査されます。ここが不明瞭だと、買い手は粉飾決算の疑いを持ち、一気に交渉意欲を減退させます。

また、過去に施工した建物に不具合が見つかった場合の瑕疵担保責任(契約不適合責任)についても、契約書において責任の所在を明確にする必要があります。「不測の事態のリスクをどこまで売り手が負うか」の線引きを専門家と共に検討しておくことが、後のトラブルを防ぐための必須条件となります。数字の透明性を高めることは、高値売却を実現するための最強の武器です。

社会保険未加入と残業代リスク

2024年問題以降、建設業界のM&Aにおいて労務コンプライアンスは成約可否を分ける致命的なポイントとなりました。社会保険への適切な加入、法定時間を超える残業代の支払い、そして一人親方の適正な取り扱いなどは、買い手(特に大手企業)が最も警戒する簿外債務のリスクです。

もし労務管理に不備があることが判明すれば、それは買収価格からの大幅な減額要因、あるいは買収対象からの棄却を招きます。売却を検討し始めたら、まずは専門の社労士等を通じて労務監査を行い、不備を事前に是正しておくことが、結果として手取り額を増やす最短ルートとなります。クリーンな労務環境は、現代の建設業界において極めて高いプレミアム価値を持つことを認識すべきです。

九州で建設業に強いM&A仲介会社の選び方

建設業のM&Aは、建設業法に基づく許認可の引き継ぎ、JV(共同企業体)の取り扱い、経審点数のシミュレーションなど、高度な専門知識が求められます。依頼先を間違えると、適切な評価を得られないばかりか、成約後に許認可上の重大なトラブルを招く恐れがあるため、パートナー選びには細心の注意が必要です。

適切な相談先を選定するための基準は、以下の通りとなります。

建設業界の商慣習と専門用語を熟知した専門チームの有無

九州の地域特性を理解しつつ、全国から「高値の買い手」を探せる機動力

単に近いからという理由だけでなく、自社の技術者の価値を正当に評価させ、最高値を引き出せる能力があるかをシビアに見極めましょう。

建設業界専門チームの有無と実績

建設業に特化したチームを持つ仲介会社は、施工管理技士の人数や、経審の具体的な評点が買い手の事業戦略においてどのようなインパクトを与えるかを熟知しています。「専門用語が通じる」ことは、単なるコミュニケーションの円滑化だけでなく、自社の強みを理論武装し、買い手を納得させるための必須要件です。

M&A総合研究所には建設・土木業界に精通した専門チームがあり、豊富な成約データに基づいた適正なバリュエーション(企業価値評価)を行うことができます。「資格の価値を価格へと転換する交渉力」は、専門チームだからこそ成せる業です。業界の苦労を分かち合えるパートナーこそが、経営者様の想いを最高の結果に繋げてくれます。

九州エリアへの対応力とスピード

建設業のM&Aにおいて、スピードは資産そのものです。優秀な職人や現場代理人は、経営不安の噂を聞きつければすぐに他社へ引き抜かれてしまいます。情報が漏れる前に、短期間で最適な相手を特定し、成約まで持っていける体制が整っているかどうかが、事業の価値を守る鍵となります。

M&A総合研究所は、福岡オフィスを拠点に九州全域へフットワーク軽く動ける体制を整えています。独自のAIマッチング技術を駆使することで、最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約を実現しています。地域のしがらみを考慮しつつ、広域から最高条件の買い手を迅速に探し出す能力が、九州の建設業経営者の皆様から高く評価されている理由です。

M&A検討から成約までの流れ(建設業編)

建設業のM&Aを進めるにあたっては、工事の進捗や竣工タイミングを考慮したスケジュール管理が不可欠です。相談から実際に経営権が移転するまでは、平均して半年から1年程度の期間を要します。経営者様が迷いなくプロセスを進めるための標準的なステップを解説します。

M&Aのフローは大きく分けて以下の2段階となります。

事前準備・査定から、最適なパートナー候補とのトップ面談

基本合意後の詳細な精査(DD)を経て、最終契約と引渡し

それぞれのステップにおいて、特に現場への影響を最小限に抑えるための注意点を見ていきましょう。

準備・査定からトップ面談

まずは直近3期分の決算書に加え、工事台帳や有資格者一覧表、主要荷主との契約書などを準備し、詳細な企業価値算定を行います。その後、情報を秘匿した「ノンネームシート」を用いて買い手候補への打診を開始します。この段階では、情報を徹底的に管理するため、風評被害の心配は一切ありません。

関心を示した企業の中から数社に絞り、経営者同士が対面する「トップ面談」を行います。ここでは数字の議論以上に、「現場への想い」や「安全管理への姿勢」、「従業員をどう守るか」といった人としての価値観を確認することが、信頼関係構築の鍵となります。経営者としての情熱を直接伝えることが、好条件を引き出す最大のポイントです。

基本合意・DDからクロージング

双方が前向きに合意すれば、意向表明書の受領を経て「基本合意契約」を締結します。その後、買い手による買収監査(デューデリジェンス)が行われ、工事原価の計算の妥当性や労務リスクが精査されます。大きな問題がなければ、最終的な譲渡契約書の調印、そして株式譲渡の実行(決済)となります。

最も慎重を期すべきは、従業員や取引先への説明(ディスクロージャー)のタイミングです。特に現場の要である現場代理人や職長クラスに対しては、「M&A後のほうが待遇が良くなり、より大きな現場に挑戦できる」というポジティブな側面を、アドバイザーと綿密に計画した上で伝える必要があります。成約後の円滑な運営(PMI)を見据えた丁寧なプロセスが、成功を確固たるものにします。

まとめ

九州エリアにおける建設業M&Aは、深刻な人手不足や2024年問題という高い壁を乗り越え、地域のインフラを守る機能を次世代へと繋ぐための「聖なる事業承継」です。福岡、熊本、鹿児島、そして沖縄。それぞれの土地が育んできた貴重な施工技術や経審ランク、そして何より熟練の技術者を、後継者不在という理由だけで絶やしてしまうことは、地域社会にとって最大の損失です。

廃業という選択は、多額の清算コストと負債のリスクを経営者に強いるだけでなく、従業員の生活基盤をも奪ってしまいます。一方でM&Aは、創業者利益を最大化し、従業員に新たな成長環境を提供し、地域の安全を守り抜くという、まさに「三方よし」の解決策です。そのためには、建設業界に特化した深い知見と、全国規模のマッチング能力を持つパートナーを味方に付けることが不可欠です。

M&A総合研究所は、建設業専門チームによる地域密着の寄り添いと、AI技術による圧倒的なマッチング力で、経営者様の想いを最高の結果に繋げます。完全成功報酬制の安心できる環境で、まずは自社の真の価値を知ることから始めてみませんか。一歩踏み出すその決断が、貴社の技術と従業員の誇りを守り、九州の豊かな未来を創り出すための確かな起点となります。私たちが、成約というゴールまで、信頼できる伴走者として全力でサポートさせていただきます。

九州地方のM&A・事業承継のご相談なら九州M&A総研

M&A・事業承継については専門性の高いM&Aアドバイザーがいる九州M&A総研にご相談ください。

九州M&A総研が選ばれる4つの理由

①譲渡企業様完全成功報酬制で成約まで一切費用がかからない
②業界特化の高い専門性
③最短43日、平均7.2ヶ月のスピード成約(2024年9月期実績)
④マッチング専門部署による高いマッチング力

九州M&A総研は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
無料で相談可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

人気ランキング